side―衛宮士郎―


仁の特訓が始まり6日、別荘の日数も入れればもっと長いのだが、
とにかく仁は力をどんどん付けていってる。飲み込みが早いのはいいことだ。
それに仁とはかなり仲が深まってきたな。……ふざけた一面はあるけど。

そして今日は新任のネギという少年が来るそうだ。

 

 

 


「なぁ仁、ネギってどんな子なんだ?」

仁はどんな子かわかってるハズだが、その子の事を全く教えてくれてない。
先の事を聞こうとすると、事前に話すとややこしいことになるって言ってかわされるしな。
まぁ、興味はあるけど無理強いはしない事にしてる。

「赤髪で、ちっさい眼鏡かけてちっさい身長で、でっかい杖もってる子だ」

ちっさくてでっかい? ややこしいな……

「ケケケ、サウザンドマスターノガキカ」

仁の頭の上に居るチャチャゼロも仁と同じくわかってるみたいだ。
最近、仁はチャチャゼロが意気投合していつも頭に乗っけてるよな。
エヴァの家から勝手に拝借してるけどそれっていいのか……

「うーんと、ああ、そうそう。遅刻ぎりぎりになったらアスナ、このかと一緒にくるはずだ」

「なんだそのノート?」

俺がそう言うと仁はパタンとノートを閉じる。表紙に書いているのは……
『無断で見たものは言わずとも絶対に突き止められる。そして今後の人生は不幸な事が立て続けに起こるだろう by防人仁』
いや、色々とやばいだろ。

「フフフ、いつまでも覚えてられるはずはないからな。
鍛練してる途中で頭ぶって、記憶が飛んだらヤバイってのもあるしさ。
という訳でオレのわかる範囲までのこれからの出来事を書いておいた」

なるほど、今後の発生するのであろう出来事が書いてあるって事か。
それなら表紙のタイトルも納得……はできないぞ……

『学園生徒のみなさんこちらは――

遅刻寸前の生徒に知らせるアナウンスが入った。
周囲は遅刻はしまいと学校に向けて走る生徒が一気に増え始める。
学校に通い始めて1週間だが、いつ見ても遅刻ギリギリの生徒はいっぱい居るな。
この学園が異様に大きいからしょうがないのかもしれないけどさ。

「ついに本編開始と言ったとこか。ネギ、明日菜、このかの3人を探しにいくとしよう」

「了解した」

「ていうか士郎は目がいいんだから高台にいてそこから駆けつけた方が早くなかったか?」

うっ、それは考えになかった。
……とにかく捜索を始めよう。


 

 

 

「居たぞ。神楽坂さんがネギ君を持ち上げてるところだ」

神楽坂さんが顔を真っ赤にして赤髪の子を持ち上げている。
女の子なのに恐るべしパワーだ。
周りでそんな神楽坂さんをタカミチさんとこのかちゃんが見てる。

「むっ! やばいな、ネギがくしゃみしそうだ。
オレじゃ間に合わん、士郎ドロップキックでいいからネギをアスナから弾き飛ばせ」

そういうからには何か考えがあるんだろう。
気が引けるが、とにかくやるしかないか!

「すまんなネギ君、これも相棒の命令なんだ」

仁を置いてネギ君の所まで跳び耳元で早口で囁いて、その体を弾き飛ばす。
ネギ君は飛ばされながら、くしゃみ――その瞬間、風が舞い起きた。
仁はこれのことを言ってたのか。

「さすがに制服を弾き飛ばされるのは可哀想だからな。ナイスだったぞ士郎」

追いついてきた仁が小声で俺に語る。
仁の声からは面白いものを見れたって感じだな。
それより……

「あれが目の前で直撃するとそんなことになったのか」

なんて変な魔法なんだ。
全くもってそれしか言い様がないぞ。

「おはよう、タカミチ、明日菜、このか、そしてネギ」

「おはよう、仁君、士郎君」

先に仁とタカミチさんが挨拶をする。
タカミチさんは俺の行動に驚いていたようだが、
さっきのネギ君のくしゃみを見てすぐに納得したようだ。

「おはようございます、ネギ君いきなりだったけど、ごめんな」

皆に向けて言いつつ、ネギ君の側に行き、手を差し出す。
初対面の人に対してこんな事をすることになるとはな……

「何で僕の名前を……?」

ネギ君は不思議そうな顔をしながら俺の手を取って立ち上がる。
疑問に思うのも無理はない、俺達の前でまだ名前は名乗ってないしな。

「それは後で教えようネギ」

仁はさっさと先に歩いて行く。
……このかちゃんと神楽坂さんはまだ呆然としてるな。
まぁ、いきなりドロップキックだししょうがないんだけどさ……

 

 

「なるほど修行のために日本で学校の先生を……そりゃまた大変な課題をもろうたのー」

タカミチさんを除き、さっき居たメンバー計五人で学園長室まで来た。
ネギ君が学園長の正面、その後ろに俺とこのかちゃんと神楽坂さんが立って話を聞いてる。
仁はソファーに座って、チャチャゼロの相手中。意外と大変そうだな。
話の内容については、このかちゃんと神楽坂さんが居るから、魔法の事はもちろん入っていない。

学園長が話を進め……む、またこのかちゃんを嫁にって。
幾らなんでもネギ君はまだ十歳なのにそれは間違って――
うっ、このかちゃんが何処からか金槌取り出して学園長につっこみ入れたよ。
学園長、血を流してるけど大丈夫なのかな。
……気にせずに学園長は話を続ける。すごいおじいさんだ。

―――二度とチャンスはないがその覚悟はあるのじゃな?」

「は、はいっやります。やらせてくださいっ」

良い返事だ。はっきりとした意思がある。

「うむ、わかった。では指導教員のしずな先生を紹介しよう」

入り口の扉からしずな先生が入ってきて……
……ネギ君、いきなりそれはまずいんじゃないか?
いきなり女性の胸に顔を埋めるとは大胆すぎるぞ。

「フッ、お前も似たようなもんだ」

仁に表情を読まれたか。なんか、くやしいぞ。
それに、似たようなもんって……思い出さないで置こう。

「そうじゃ、ネギ君はこのかとアスナちゃんの部屋に泊めてもらえんかの?」

「が、学園長! いくらなんでもそれはっ。仁と衛宮さんの部屋じゃ駄目なんですか!?」

このかちゃんは良いって感じだけど、神楽坂さんは断固拒否してる。
けど、俺は神楽坂さんの言うとおりでも別に良いとは思う……
いや、俺と仁の身分が危ういから駄目か。
一緒に居れば子どもと言えども感づかれる可能性があるしな。

「アスナ、子ども一人ぐらいどってことないだろ。
お前の子ども嫌いを治す絶好のチャンスだから潔く引き受た方が良いと思うがね」

「うぅ〜」

「どうしても駄目かのぅ、アスナちゃん?」

仁と学園長が二人がかりで神楽坂さんを攻める。
ここまでやられたら、さすがに断れないだろうな。

「学園長がそこまで言うのなら……」

神楽坂さんが根負けして承諾。
仁も学園長も、なんだか人が悪いな。

「フォフォフォ、ではアスナちゃんとこのかは先に教室に行きなさい。
ネギ君と防人君と衛宮君には別に話があるからのう。
しずな君も一度、退出しておくれ」

これからの話は魔法関連だな。
けど、授業まで時間もないし簡単な話だけか。

「ネギ君、衛宮君と防人君はこちらの世界の住人でネギ君のクラスの生徒じゃ」

「えっ! そうだったんですか!?」

「ああ、オレは魔法はまだ使えんがな。
さっきの蹴りは悪かった、オレが士郎にやれといったんだ。
さすがにアスナの服を吹き飛ばす訳にはいかんからな」

「あぅ……いぇ、あれは僕が悪いので」

ネギ君は本当にいい子だな。
純粋すぎて眩しいぐらいだ。
同じぐらいに見えるエヴァは黒い子だしなぁ。

「ネギ君、困ったらその2人に相談するとよい。それではもう時間じゃから、
外にいる、しずな君と一緒に教室に向かったほうがいいと思うがの」

「じゃぁ行こうかネギ君、俺は衛宮士郎だ。よろしくな」

「防人仁だ」

「僕はもう知られてるみたいですが、ネギ・スプリングフィールドです。よろしくお願いします」

「ケケケ、セイゼイ頑張レサウザンドマスターノガキ」

「えっ!?」

チャチャゼロのサウザンドマスターという単語に反応して、
ネギ君は笑顔から一変、驚きの顔となった。
……ネギ君の父親はサウザンドマスターか……誰だ……?

「こいつは魔法で意思がある人形でな、ネギの父さんに興味があるんだ。
オレもネギがサウザンドマスターの息子ってことで少し感動してるぜ。
親父さんの事は公式の発表を聞いて残念に思ってる。
ああ、話すと長くなりそうだ。早く行くことにしよう」

仁の奴は哀しい顔をして言ってる。
その表情は本物か偽者か、わかんないけど、
コイツの事だから、言葉の内容の何処かに嘘が混じってるんだろう。
仁が意識して、嘘を吐く時は完璧に表情を読み取れないな……
嫌な特技を持ってるもんだ。

「フォフォ、ネギ君をよろしくのぅ」

「あ、はい」

「わかってるぜ、じぃさん」

時間がやばい、ネギ君が初日から遅れすぎるのは良くない。
さっさと2−Aに行かないとな。

 

 

仁達にすぐに追いついて、現在は2−A教室前。
ネギ君が名簿と睨めっこしてるのを後ろで見てる。

……またトラップしかけてあるな。
風香ちゃんと史伽ちゃんの仕業か。
とりあえずネギ君に教えないといけない――と思ったら仁に止められた。
ん? 口の動きから「教えるな」、か。
という事はこれはネギ君が引っかかる事に意味があるのかな。
それとも仁が単に楽しみたいだけか……

む、ついにネギ君は教室に入る決心が出来たようだ。
緊張しながらもネギ君は扉を開く。
当然、開いたら第一のお約束トラップ、黒板消しがネギ君の頭の上に振って――こない?
止まってる……っと、すぐに再び落下して、ネギ君の頭に直撃した。
今のは魔法か、身の危険を察知して咄嗟に使ってしまったようだな。

「あはは、ひっかかっちゃいました」

ネギ君は皆に笑顔を向け、咳き込みながら教壇に歩く。
だが、先ほど第一のトラップと言ったように、トラップは一つという訳ではない。
人が引っかかる丁度よい高さに設置されたロープにネギ君は引っかかる。
誘導されるようにネギ君は動いて、次々とトラップに嵌っていく。
そんなネギ君を見てクラスは大笑い、酷いぞ。

「まずは変わりないか。席に着こう士郎」

「……そうだな」

「ドジナガキダ」

頑張れネギ君。俺は君を応援しているぞ。
俺と同じ感じが何処からか感じるからな。

「今日からこの学校でまほ……英語を教えることになりましたネギ・スプリングフィールドです。
3学期の間だけですけどよろしくお願いします」

いきなり危ない、一瞬魔法を教えると言いそうになってるぞ。
すごく心配になってきた。あと隣の仁はすごくいい笑顔。

「「「「キャー、カワイイー!」」」」」

耳がキーンとする……俺たちが転入してきた時と同じぐらいの声量だ。
そして、すぐさま女子の半数がネギ君に襲い掛かるように……
実際にあれは襲い掛かってるな。ネギ君は大丈夫だろうか? 潰れてないか?

「ちょっと、さっきの何かオカシくない?」

神楽坂さんがネギ君の襟に掴みかかる。
ネギ君が止めた黒板消しのことに気がついたようだ。
まぁ他にも気がついてる人はいるみたいだが。

「アホなガキだ」

「ここのクラスはみんな似たようなもんだろ」

「貴様! 私までアホの一員とぬかすのか!?」

「良い意味だから、そんなに怒るな」

「そうやって一々、頭を撫でるのをやめろ!」

正面と隣が同時に騒がしくなってる。
だが、俺は介入しようとは思ってないぞ。
とばっちり食らう感じがするからな。

―――ふぅ、やっと授業か。ネギ君、初日から災難だな。
と思ったら神楽坂さん……さすがに子どもにそれはないんじゃないか?
消しゴムをもの凄い速さで投合、すごく痛そうだよ―――って。

「おい仁、何故お前までネギ君に消しゴムを飛ばしている」

「そこに面白いことがあるからさ」

またこいつは、時々暴走するからな。
とりあえずこういう時はいつも通り鉄拳制裁。
横っ腹に軽く一撃、仁はうめき声を上げて蹲まる。

―――キーン コーン カーン コーン―――

ああ、終わってしまったな。ネギ君、めげずに頑張ってくれ。

 

 

 

「次にすることは本屋ちゃんを追跡だ。早くせんとやばいぜ」

「何が起こるんだ……」

聞いてはみるが仁は何も教えてくれない。
チャチャゼロと一緒に奇妙に笑ってるから怖いな。
フフフとケケケってなにさ。シンクロしすぎだぞ。

「お、ターゲット確認。総員直ちに戦闘配置!」

「戦闘配置って言われても何も聞いてないから、
何処にいればいいかわかんないんだけど」

「雰囲気で言っただけさ」

適当だなぁ、とにかく物陰に隠れたほうがいいか。
うーん、宮崎さんあんなに本持って階段下りると危ないぞ。

お、向こうからネギ君が来たな。ってことはまたネギ君絡みのことかな。
そうなると……このまま行くと宮崎さんが階段から落ちてネギ君が魔法を使い、
誰かに見られるからそれを止めろってこところかな?

――予想通りだ。それにしてもまた神楽坂さんが関わるとは。
ネギ君、大変だなぁ。何故か君には親近感が沸くぞ。
何でだろうなぁ、やっぱり冬木に居た時と
――――

「げ、予想以上に動きが早い。士郎、何処に行ったか見えたか?」

「すまん、見逃した」

ちょっと物思いにふけってしまったな。
こんなこと考えてる前に行動しないと駄目か。

「林の中に行ったからとりあえず行くぞ」

「ん、了解」

 

 

何処までいったのかな……む、発見。
ネギ君が詠唱してるが、これは間に合うのかどうか微妙なラインだ。

「仁、あそこだ」

「またオレだと無理だな。士郎あとは任せた!」

「しょうがないな」

仁は任せたと言いそのまま何処かに走り去って行く……何故だ?
とにかく止めに入らないとっ。これは間に合わんか!?

「消えろーーーーーっ」

「キャーーーーー」

「待て! ネギく……」

くっ、遅かった。ってこの状況はかなりまずいんじゃないか。
神楽坂さんがネギ君の魔法によって下半身の衣服が全てなくなって……

「うっ、すまん。だが俺は何も見てないから大丈夫だ」

正直なところ、見えてしまったが、ここで取る行動は……

「……頑張れネギ君」

仁と同じだが逃げる。
これ以上ここにいてもどうしようもないからな。

 

 

「結果はどうだった、成功か?」

広間に向かい、仁の傍に行くと結果を聞かれる。
笑顔だな……チャチャゼロもずっと笑ってる。

「最悪の状況になったと思う……」

「あのタイミングじゃぁ士郎でも駄目かぁ。まぁしょうがないな」

何故か先に逃げた仁を責めれない。
俺が止められなくて非があるからか。

「よし、次はお待ちかねの歓迎会だ。士郎、気を取り直して教室の前でネギを待とうぜ」

「ネギ君を待つってことは神楽坂さんと会うってことだよなぁ」

つらいなぁ、どうすれば……
まず、何て声を掛ければいいんだ。
神楽坂さんと会うまでに考えとかないと。


 

2−Aの教室前で待つこと十分少々。
神楽坂さんにかける言葉はまだ決まってない。

「ネギとアスナが来たみたいだな、さて騒ぐぞぉ」

ついに、来てしまったか。
現場に居なかった仁は気楽でいいな。
うーん、とにかくもう一回謝っとこう。

「神楽坂さん、さっきはごめんな。ネギ君に用事があったんだが、タイミングが悪かった」

「元はと言えばこいつが悪いんですから、そんなに気にしないでください」

「あぅ……」

なんとか許してもらえたみたいだ。
早くこの記憶は削除しないとな、神楽坂さんに申し訳ないだろう。

「話も済んだみたいだな、入るぞ」

仁が2−Aの扉を勢いよく開けると、

「「「「ようこそ、ネギ先生、衛宮さん(君)、防人さん(君)ーッ」」」」」

クラスメイトがいつも通りの大声量で言う。
またキーンってきたよ。耳がぁ……

 

 

 

――パーティーはいいんだがこういうのってなんか馴れないな。
タカミチさんが居ることだし、タカミチさんと話をしようか。

「どうしたんだい士郎君?」

「タカミチさんとお話したいなと思いまして」

「ハハハ、君の性格だとまだこのクラスにはついていけないってところかな。
まぁ僕でよかったら話相手になるよ」

全くもってその通りだ。
ん? 仁もこっちに来たな。

「士郎は中に入ってかないのかぁ。男1人でも寂しいしオレも2人に加わるとしますか」

「ネギ君がそっちに……ってまた女子に囲まれてるか」

大人気だな。マスコット的存在ってやつか。
……ネギ君を見る委員長さんの目が一番怖いぞ。

「君達は確か元は20歳過ぎだったかな、どうだい1つ?」

「わかってるな。さすがダンディータカミチ、ありがたく頂くとしよう」

「オレニモ飲マセロヨ」

「俺ももらおうかな」

日本酒か、みんなの前だとなんか不良って感じで、
やばい気もするが無礼講ということでいいかな。
む、ネギ君がこっちに来るみたいだ。飲みたいのか?

「どうしたネギ君?」

「いえ、タカミチに用があって……」

そう言うと、神楽坂をどう思ってるか聞いてタカミチさんの額に手を当てる。
読心術? 魔法かな? 内容は神楽坂さんの事をタカミチさんはどう思ってるか……
名前を出して直接聞いたら……ほら、神楽坂さんがすごく睨んでるぞ。

そして、ネギ君は気にせずに神楽坂さんに報告しに行った。
悪い内容だったのか神楽坂さん怒って出ていっちゃったな。
なんていったのさネギ君。

「衝撃の瞬間見にいくぞ」

「あの二人の出来事やたら多いな」

今日はこれで3回目か。
それにしても仁はこの短時間にどれだけ飲んだんだよ。
酒に強いようだが、この匂いは誤魔化しきれないぞ。

仁が一番に追いかけ始めて、俺が後ろからついてく。
さて二人は、っと……何故そのような展開に?
……いきなり神楽坂さんがネギ君に告白中?
教師と生徒だし。いや、他にも言うことあるけどさ。

「フフフ、青春だな青春」

「何だその発言、親父くさいぞ。それよりこれは止めないでいいのか?」

「ウム、これがないとあの二人が多分仲良くなるの遅くなる、と思う」

2−Aのみんなもぞろぞろ出てきたな。
朝倉さん、カメラ持ってるけどこれを撮ったら可哀想だろ。
あっ、神楽坂さんがネギ君にキスをしようとして、


 ―――パシャ、パシャ、パシャ―――


問答無用に朝倉さんはその瞬間を激写。
二人の問題のシーンについて、神楽坂さんに委員長さんすごく怒ってるな。
ええっと、ショタコンってやつだったか、ふむふむ。

ん? ネギ君はどっから杖とりだしたんだ?
それを俺達に向けてどうするつもりなのかな?
まさか―――

「万が一巻き込まれたらやばいぜ、撤退だ! じぇ〜〜〜〜っと!」

「皆はほっといていいのかよ」

これだけ人数いると全員助けるのは……無理だろうからな。
林の中の時の神楽坂さんと同じことになったら困るし、俺も撤退するか。


「記憶を失え〜〜〜っ!!」


……一段落済んだみたいだし、またタカミチさんのところでも行こう。

 

これから毎日、ネギ君はこの調子なのかな?
とにかく強く生きてくれ、俺もなような気もするけどさ……

 

 

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